ベートーヴェンは怒っている
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本屋さんで、目に入りました表題。
「ベートーヴェンは怒っている!」
野口剛夫様著
普段、怒ることはない私。
5年に1度くらいではないでしょうか?
それも、自分周辺の事で怒ったことはなく、
子供達(人の子です)が辛い目に合わされている時や、戦争などなど、、
そう言う事でしか、大きな怒りを持った事がないのです。
夫とも喧嘩もしません。
大人になる過程で、心や考えを整理する方法、目の前の事象ではなく奥を感じる事を、色々な場所で与えて頂いたおかげだと思っています。
それが去年からはなんと、度々「怒り」を持ちました。
コロナ騒動です。
(かと言って勿論、振り乱す事はないですが)
こんな大きな嘘がまかり通ってしまう事、1年も経つのに、科学的に明らかなのに止められない事、
それにより、どんどん苦しい状況に追い込まれる世界の大勢の人。。
まさに理不尽な戦争と同じ状態なのですから、怒りを持つのは当然なのかもしれません。
そんな所へ、この表紙はストンと入ってきました。
年代順に、ベートーヴェンの言葉とその解説や時代背景が書かれています。
深い言葉が多く、本屋さんで楽しみつつパラパラと眺めていると、
後書きの前の著者野口剛夫様の文章に
コロナ騒動に対する憤りが書かれてあり、、。
共感と感謝の想いと共に、購入して帰ったのでした。
“音楽に携わる私たちは、報酬云々の前に、まず音楽はかけがえのないものという渇望を持っているのか。音楽なんて不要不急だという意見に対し憤り、不当な自粛を跳ね返す気概を持っているのか。”
著者の方が本気で音楽に取り組まれていること、
「本物」を求める方だということが、ヒシヒシと伝わってきます。
大変な中ですが、そのような光ある方に、少しずつ少しずつ出逢える。
それが、今の混乱した世の中での素晴らしい救いです。
野口様は、あの佐村河内さんの事件の時に、そのおかしさ、言葉から感じる本物の空気の無さに、最初に気づいた方だったそう。
それはやはり、ベートーヴェンなどの「本物の芸術家」をご存知だったからではないでしょうか。
こちらの本はベートーヴェンの手紙から抜粋された、彼の生の言葉だらけで構成されています。
ベートーヴェンの深い心と接する事ができ、
とてもおすすめです😌
人が寄って来ては逃げ続けるショパンとは全然違う、、なかなかもてない人生。。😊💦
でも、その中の痛みや望み、憧れや絶望、
音楽の通りに上下激しい中で、地獄な心をさ迷いながらも、光に向かう事をやはり止めないこと。
読んでいて、それもやはり音楽と同様に、
完璧であれない人間らしいベートーヴェンが、愛おしくなります。
『ごめんなさい。あんまり美しい深い考えにふけっていたものですから、それをやめることができなかったんです。』ベートーヴェン 7歳
『わたしは自分が褒められているのを読みますと、逆に自分の弱点が指摘されているように感じるのです。それは芸術と自然が示している目標は到達し難いほど高いからです。』27歳
『何か恐ろしい事件が起こっても、また狼狽したりしないだけの自分を天は与えてくれました。
数百万という人々が同じくしている運命のなかで自分のことを心配そうにしていられますか。』39歳
『音楽を本質から理解するのは、精神の律動によってです。音楽は、この世のものとは思えない英知について予感や霊感を与えます。精神は音楽によって感じとることができるのであり、これこそ精神的認識の実現なのです。』41歳頃
『多くの人は音楽を嗜みはするものの、音楽から啓示を得ることはできません。他の全ての芸術と同じく、音楽の基底には道徳的観念という高い目標があります。真の芸術が生まれる時はいつも、道徳的な進歩があるのです。』41歳頃
『神と人との関わりは宗教ですが、それを私たちは芸術から得ます。神からのもの、神々しい霊感は、人間の能力が到達すべき目標となるのです。』41歳頃
もっともっとご紹介したい、
倒れそうなほどに共感し染み込む
ベートーヴェンの言葉達😌✨
続きは是非書籍で😊☘️
でも、ベートーヴェンの面白いところは、、
後期ピアノソナタで至高の域へ達したかと思えば、、
その後の第九を弾くと、やはりまだ人間界でうごめいていて。。(本気の煩悩すごぃ。。😅)
この言葉達は、彼が理想を追い求め続けていた事、その天なる世界を観る目を持っていた事がよく解り、それでもそうできない自分とのギャップは音楽によく現れていると感じます。
そんなところもまた、とても正直で嘘のない人、、人間らしく。
「不甲斐なさを受け入れながら生きる」
という事を、いつも教えてくれる作曲家です。
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