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Pianist 早川奈穂子 Official Blog

harmonie des fleurs * ハナのハーモニー

ベートーヴェンの中の軍神

Categoryart * 芸術 musique * 音楽

チャイコフスキーについてお勉強していましたら、この様な記事をお見かけしました。

身近な人にはよくお話しているのですが、
私は昔からベートーヴェンの低音(オーケストラ作品)を聴くと実は怖いので、、(*^^*)
チャイコフスキーの発言に共感するところがありました。
 
ベートーヴェンについては、ショパンやルノワールなどなども似た様な発言を残していますが、
それは、彼の中の「軍神(戦いの神)」が聴こえるかによるのだと感じています。
 
 
ベートーヴェンは確かに偉大で、音楽をするにあたって勉強すべき、弾くべき作曲家であることに間違いはなく、美しく、大好きな作品もたくさんあるのですが、
同時に、いくつかの作品の音にはどうしてもデモーニッシュ(悪魔的)なものを感じて、
私は怖いのです。。
 
その音は、私にとってはヒトラーに繋がってゆく音(小さな種)であり、
ドイツのその後の作曲家の作品や、ポピュラーでも世界的に有名なミュージシャンの音の中にも、その音は存在します。。
 
(その種は発芽しないまま消えてゆくこともありますが、発芽する環境にある人が)あまり長くそのような音に触れると、
人の脳を麻痺させ、良くないもの(人を不健康な心や戦いに導くもの)を良いと思い込んだり、狂わせてしまったりするものを感じて怖いのです。
実際、その様な音楽では熱狂し失神する人もいます。
 
対して、神聖な音の方は、身体を癒し、純粋に平和にし、
明朗快活に、愛情が湧いてくる状態にしてくれます。
そうすると心身は全体として調和し、心が健康になります。
人や世界を愛するようになります。
そのようなものは、前者に比べてインパクトが少なく、派手さがなく、
永く地道に、じわじわと効果が出るものです。
 
モーツァルトやショパンの音の中にも苦悩や悲しみ、魔を「描写した」音はありますが、
軍神はいないのです。。
バッハの音にもいません。

これはあくまで私の個人的な感想です。
 
 
チャイコフスキーがバッハに天才を感じないと書いているのは、
バッハの作曲手法が左脳的だからだと、私は感じました。
(そうできるのは同じ量で素晴らしい右脳があられるからこそだと思います。。)
 
バッハは、「ただ聖書を読み上げるだけ」の様にとどめ、
宇宙(神様の創った世界(の数字))を音楽の中に落とし込むだけで、
個人的な感覚を入れずに組み合わせているように感じます。
そこに、絶対的な神様への信頼を感じます。
 
モーツァルトはそれをもっと人間と繋いでくれていて、
世の中に降りてくれています。
チャイコフスキーがモーツァルトを「キリスト」と表現するのは
そのような感覚なのだと感じました。



かといって、私はベートーヴェンが好きでない訳ではありませんヨ。
怖い音があるのは事実ですが、
本当に素晴らしい作曲家だと思っています。

 
ベートーヴェンの魅力は、悪魔的なものの誘惑の狭間で揺れたり、
つい戦ってしまう人間そのものの有り様であり、、、
どん底から天に向かって抜けようとする強いエネルギーや、
何度も訪れる不甲斐ない自分の認識、、
だと感じています。
それが、完璧であれない私達を励ますのだと。。。
 
彼の音楽が人に勇気を与えるのは、そんな「怖い音の場所」へ行ってしまっても、
その後、ちゃんと「光」を見て、
その方向へ強く強く向かうからだと思います。
 

ただ、、モーツァルトやショパンは、そもそも、
その「怖い所」には行ってしまわない、、
『戦わない』のですね。。

「戦わない」というのは、戦争だけではありません。
何気ない会話、普段の生活。。
これは彼らの育った環境によるのだと感じています。
たくさんの愛に包まれて育った人と、悲しくもそうあれない環境だった人と。。

愛を知っている人々は、人や起こる出来事を(良くないことも含め)信頼でき、
戦わずに話し合え、生きることは「戦い」ではなく「赦し」であり、、
他人を喜べ、共に分かち合い成長しあえる、
皆が一緒に幸せになれる生き方を知っているのですね。。

これは、ベートーヴェン本人のことだけではないので複雑な思いがし、
いつも戦わざるを得なかったベートーヴェンに触れる時には、
その辺りがなんとも辛い気持ちになります。

でもそのおかげで、戦う辛さの中に生きる人に強く響く音楽が生まれてくれた訳で、
全てのことには意味があるのだとも、感じるのです。

でもそれは、ベートーヴェンが、苦しみの中でも最後には必ず「光」に向かったから。
彼が「闇」に向かえば、彼の音楽も残ることはなく、
彼自身も壊れてしまい、全てが消えていたでしょう。。


そんな訳でありまして、ベートーヴェンを弾いていると、時々、
戦わない、違う生き方もあるのにな、、と少し辛くなるのです。
でもそれと同時に、その中で必死に生きる様に涙が出ることも。

モーツァルトが「天使」と形容されるのは
人間そのものの葛藤の音楽ではなく、その向かう先の光の音楽、
「赦しの音楽」であったからだと感じています。

私たちは、「今生きている」ということが、
「既にとても愛されていた」証拠であり、
誰かに一度は栄養を頂き、社会に、世界に、守ってもらえています。
家がある、食べ物がある、水がある、空気がある。。
モーツァルトの音楽はそこに在り、「既にずっと愛されている」ことを
ひたすら伝えてくれるのです。



長くなりましたが
最後にベートーヴェンの言葉たちをご紹介☘️


⚫︎私は何度も絶望し、もう少しで自殺するところだった。
 だが、彼女が、、芸術が、、、引き止めてくれた。
 私は自分に課せられていると思っている創造を全てやり遂げずに
 この世を去る訳には行かないのだ。

⚫︎私は運命の喉首を締め上げてやるのだ。
 決して運命に圧倒されないぞ!

⚫︎希望よ、お前は心を鉄に鍛える。

⚫︎純粋な心だけが、おいしいスープを作る。

⚫︎神性に近づき、その輝きを人類の上に撒き散らすほど美しいことはない。

⚫︎できる限り善を行い、何者にも増して自由を愛し、
 王座のもとであろうとも断じて真理を裏切るまい。

⚫︎音楽があなたの人生の重荷を振り払い、
 あなたが他の人たちと幸せを分かち合う助けとなるように。

⚫︎墓の下にいてもあなたたちの役に立てる。
 これほどに嬉しいことがあろうか。


そして、モーツァルトの言葉。


⚫︎高尚な知性や想像力、あるいはその両方があっても
 天才の形成に至りはしない。
 愛、愛、愛。
 それこそが、天才の神髄である。

⚫︎Neither a lofty degree of intelligence nor imagination nor both together
 go to the making of genius.
 Love, love, love,
 that is the soul of genius.







 

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