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Pianist 早川奈穂子 Official Blog

harmonie des fleurs * ハナのハーモニー

無理をしないで自然な力で出せる一番大きな音

Categorytravail * お仕事 instruction * 指導
先日、牛田智大さんのインタビューをお見かけしました。

こちらに、ロシア奏法についての特徴がよく表現されていますのでご紹介♪

http://jp.yamaha.com/sp/products/musical-instruments/keyboards/pianist-lounge/interview/003/

それまで僕は、フォルテに向かっていく音楽をつくろうとしていたんです。
いかに大きく弾くか、フォルティッシモをどうやったらだせるかということばかり考えていました。
でも、パレチニ先生はピアニッシモに向かっていく音楽、静寂の中の緊張感、繊細な表現を教えてくださいました。
その頃の僕はガンガン、ちょっと汚い音で弾いていたと思うんです。
パレチニ先生のアドヴァイスを受けてから、音色や響きに耳を澄ませ、各声部の構成を考えてきめ細く表現しなければならないと思うようになりました。


強音を出す時、どうしても叩いてしまうことがあったんですが、マエストロ(プレトニョフ)に
“無理をしないで自然な力で出せる一番大きな音がフォルティッシモ、
そこから下を計算してダイナミクスをつくればいいんだよ”と言われ、
弾き方が変わったと思います。


技術面では、やはり打鍵です。指だけで弾くのではなく、
肩から上半身を使って鍵盤に重さをのせて、コロコロとボールを転がすように重さを移動させてパッセージを弾くことを学んでいます。
ロシア・ピアニズムの特徴は、美しい音色の繊細なグラデーションと“ピアノで歌うこと”なんだなと思います。




この「鍵盤に重さをのせて、ボールを転がすように重さを移動させて」
というものがロシア奏法の特徴で、
弾く前に指を筋肉で振り上げておろして弾く奏法とは
根本的に異なります。
ですので、鍛える筋肉の場所も違いますし、鍵盤に指を当てる角度、関節の保ち方も少し違います。

そして音の聴き方も、実は大きく異なります。
叩いた瞬間の音ではなく、響きの方を聴きます。
その聴き方に慣れていない人には、音が柔らかく聴こえるでしょう。
(それについては、鐘の実験で、以前書きました。)
刺激を求める耳と、響きを求める耳の違いでしょうか。

よく先生方がおっしゃるのは
「えんぴつででもピアノは弾けるんだ」
というセリフで、
耳で「響いている音」を繋いでいく事でレガートを作ります。


指はどの人も6~7㎝は振り上げる事が出来るでしょう、
そこから指を叩き落とすように鍵盤を弾くと、鍛えれば子供でも少しだけクリアな音がでますが、
これがピアニストにとって大きな分かれ道となってしまいます。


ロシア奏法は、鍵盤からほとんど指を離しません。
鍵盤を下ろすのに必要なのは、1㎝くらいしか高さがないですよね。
振り上げることよりも、鍵盤の中に下ろすこと、
その繊細な距離と重さ・スピードを、1㎝の中でコントロールする事の方が大切です。

「鍵盤から音を引き出す」も、よくロシアの先生方が言われる表現で、
「トーンスポット」を感じるように、指を使います。


1曲1000個の音があったとすると、筋肉の使われる量は、とても単純に考えても
ハイフィンガー奏法では、7センチ×1000、
ロシア奏法では、1センチ×1000、
7000の労力と1000の労力の差、脳の働きの差が
できてしまいます。

それによって、ハイフィンガー奏法だと手や脳が疲れやすく、
この疲労を補うためにさらに筋肉をつける、
という発想により手はどんどん酷使され
30~40代になると弾けなくなり痛め、皆さんロシア奏法に変えていかれています。
子どもでも、身体がこわばってきます。


ロシア奏法は、腕や全身の重さを利用して弾くので、子どもでは大きな音はまだ出ません。
そのため、焦ってハイフィンガーを選んでしまう人も多いのですが、
10代までに得た奏法を直すのには、10数年はかかるでしょう。
ロシアのピアニスト達は、5歳の最初から重力奏法を学び、長い先を見通して耳と体を育んでゆきます。


パレチニ先生やプレトニョフさまが、必要以上に大きな音を出さなくて良いと述べられているのは、
子どもは体が小さいのでその重量に見合った音で良い
とおっしゃっておられ、それよりも、
良い奏法と繊細な倍音を聴くことのできる耳を育くむことが
その後の演奏に大切、ということを伝えて下さっています。



おもしろいことに、このロシア奏法の原理は、
声楽や弦楽器のレッスンの様子をお仕事中拝見していても、先生方は全く同じことをおっしゃることがたくさんあり、
フェルデンクライスやバレエなどにも共通して、
人間の体や骨を、自然に効果的に使うことに繋がっています。

ですので、レッスン後の様子を見ていると、体が健やかに呼吸していて、
演奏やマインドもナチュラルなものとなるように感じています。(^-^)


The breeze feels great ♪





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