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Pianist 早川奈穂子 Official Blog

harmonie des fleurs * ハナのハーモニー

ピアソラさん第2弾

Categorytravail * お仕事 transcription * 編曲
今週も第九ですが、合間にサンサーンスの譜読みを進めたり
生徒のレッスンに励んだり、1月のリサイタル伴奏のリハーサルも。^^
そして、またまたピアソラさんの編曲も、頭の隅で少しずつしています。
仕上げる頃にはまたまた前回の状態のようになるのかな。。
。。。。体力がいります。(笑) 
たぶんまた、玄関でPITAPAをかざし始めるのだと思われます。。


でも、前回作りましたオブリヴィオンとリベルタンゴのメドレー、
演奏後に泣いて下さる方もいらっしゃり、、、そんな瞬間はちょっと報われます。
杉原先生の渾身の演奏のお陰さまです。(;;)



ピアソラさんのインタビューで、彼の音楽そのものな、
印象的な言葉を見つけました。

「自分自身を語ると言うことほど難しいことはありません。
一つだけ言えるのは、私は私の音楽とは違う、と言うことです。
私の音楽はとても憂鬱で哀しく、激しく、厳粛でさえありますが
私自身は違います。

本当の私は明るい性格で、人生を愛し
スポーツが好きで、おいしい料理が好きな人間です。
要するに私は、アンチタンゴでアンチノーチェ、夜がきらいです。
昼間が好きで、朝や、海や、自然や、花や森が大好きです。

私にとってのタンゴとは、キャバレーや泥棒、警察、売春、ジゴロ、
麻薬、そして人生の中のねじれたもの全ての同義語なんです。
タンゴがブエノスアイレスの売春宿で生まれ、
そしてずっと売春宿のものであることを忘れてはいけません。
ボルヘス(アルゼンチンの作家)でさえ、いつも売春宿と結び付いているくらいです。私も同感です。

なぜならタンゴは、底辺の世界の最下層の人たちの体臭を持っているし
いつまでもずっと、そういうものなんです。」



ピアソラさんの音楽がすごいなぁと思うのは、
音の中には、本人の言うように、悲しみやふがいなさ、どうしようもない
どろどろしたたくさんの気持ちを感じるのに、
人を責めたり、憎むような音が、ないように感じる所です。
そんなことを思っても、所詮どうにもならない・・・
それを通り越した、疲れ切った境地の音、というのでしょうか。
そして結局、大きな人間愛にたどりつくような。。。


人間が好き、自然が好き、昼間が好き・・・
人間誰もが、赤ちゃんの時には、この状態だと思うのです。
体に心地よいものを好み、不健康なもの、危険なものには、
動物的に、本能的に、脳が「不快」を示す。
生まれた時に、既にそれを備えて生まれてくるのが生命です。

そんな原点を思うと、彼の言う「ねじれたもの」、ひたすらそこを見つめるのは、
本来は「心地よい」ことではないでしょう。。
でもそれも含むのが、人間であり人生であり。
その音楽を作曲し続けたピアソラさんを知るたびに、
その「大きさ」を思わされます。



CD 「Movement~天と地と~」
二胡 杉原圭子  ピアノ 早川奈穂子



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tag *   二胡, オブリヴィオン, リベルタンゴ, ピアソラ,


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